どのように中国では年間300億個の宅配物をさばくのか?
中国のアリババグループが運営する淘宝(タオバオ)。
その流通総額は約35兆円。この額は楽天市場の14倍、AmazonJapanの21倍で、「見つからない宝物はない、売れない宝物はない」といわれるほどタオバオは超巨大なのです。
ここまでネットショッピングが盛んだと、どうしても気になるのが宅配事情ですよね。中国の宅配便の数はなんと年間300億個にのぼるそうです。
中国在住の私もよくタオバオを利用しますが、私が実際に中国で体験した3つの宅配便の受け取り方法をまとめたいと思います。
- 宅配ロッカー
- 宅配代行センター
- 番外編:ご近所さん
中国では年間300億個もの荷物をどうやってさばいているのでしょうか?
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①宅配ロッカー
日本でもヤマト運輸をはじめとして宅配ロッカーの普及に邁進しているようですね。ただ、日本で宅配ロッカーが定着するにはまだまだ時間がかかるような気がします。
まず、東京都23区内で315カ所、大阪市内で27カ所(2018年4月現在)と設置数が圧倒的に少ないし、地方になれば県内に1カ所なんてところも。ましてや宅配ボックス付きのマンションが普及する日なんてくるのでしょうか?
その上、設置場所が駅やスーパーというのもどうかと。自分で運ぶのが大変だからこそネット注文する大きなものや重いものを、駅まで取りに行くなんて本末転倒すぎやしないか。宅配ロッカーの便利さがいまいち分からないのは私だけでしょうか?
その点嬉しいことに、中国ではマンションごとにこのような宅配ロッカーが設置されています。玄関を出てすぐのところや、マンション敷地内にあり、日本のようにわざわざ外まで出向く必要がありません。
山東省で去年住んでいたマンションにも、現在住んでいる広東省のマンションにも設置されていたので、ある程度きれいめなマンションであれば標準装備なんだと思います。
使い方もとても簡単。
①スマホにショートメールで「荷物が届いたよ」とメッセージが届いたら、指定されたロッカーに行く。
この時は「南門と西門の間の中心広場の防空通道の入り口」のロッカーご指定でした。黒塗り部分にはマンション名が書かれています。
②ロッカーに着いたらタッチパネルの「取快递(荷物を受け取る)」をタッチする。
「取快递」の隣には「寄快递(荷物を送る)」もありますね。これもいつかチャレンジしてみたい。
③ショートメールで届いている暗証番号を入力する。ピポパ。
④ロッカーの扉が自動で開く。荷物を取り出す。扉を閉める。
なんて楽チンだこと。
これぞ宅配ロッカーの正しいあり方だと私は思います。
②宅配代行センター
山東省にいた時に住んでいたマンションには、マンションの敷地内に「妈妈驿站」という宅配の代行業者が入っていました。住人宛の荷物が届いたり、荷物を送ったりする所です。
http://www.tianxiajiameng.com/
今住んでいる広東省のマンションにはそのような場所はありません。山東省の時のマンションは20階建ての建物10棟以上から構成されていて、日本でいう団地程度の規模がありました。よって扱う荷物数も多くなり、ロッカーだけじゃ補えないと思ため、妈妈驿站のような宅配代行業者が必要なんだと思います。
この写真を見ていただければ荷物の多さがお分かりいただけると思います。
この左手に妈妈驿站のセンターがあるのですが、建物内に入りきらない荷物が道路に溢れかえっています。右手に見える青いテントの横にひっきりなしに軽トラックが停まって、荷物を下ろしていきます。
どん!
どどん!!
この写真は、双11という11月11日の「光棍節(独身の日)」に行われる中国最大のセール明けのタイミングで撮ったので、余計に荷物が散乱しているのですが、普段も割とこんな感じでした。こりゃあ、ロッカーなんてすぐに一杯になってしまいますよね。
ちなみに代行業者のセンターと宅配ロッカーの使い分けは、運送会社によって変わるみたいでしたが、割合で言うと8:2で代行センターに荷物を取りに行くほうが多かったです。
やり方は宅配ロッカーと基本的に同じで、
「荷物が届きましたよ」のショートメールが届いたらセンターに行き、4ケタの数字(货号)をセンターのおばちゃんに伝えれば荷物を出してきてくれます。
センターの外はあれだけ乱れていますが、建物の中は割と整頓されていて、4ケタの货号を伝えると荷物を瞬時に探し出していました。さすがです。
③番外編:ご近所さん
ある時、「荷物が届きましたよ」の間違いショートメールが届きました。
中国人の友人に調べてもらって間違いだということが分かったのですが、驚いたのはそのメールの内容でした。
「お住まいの南出口横にあるネイルショップにあなたの荷物をお届けしました。取りに行ってください」
ネイルショップ?!
どうやら中国の地方の方に届いた荷物だったようですが、宅配ロッカーも代行宅配業者もないような田舎では近所のネイルショップが荷物の受け取りまでしているんだということが分かりました。
ご近所付き合い必至ですね。
年間300億個の宅配物が動いている中国。再配達なんて言語道断。都会では宅配ロッカーや業者を駆使しているかと思いきや、地方ではご近所同士の助け合いも不可欠です。
日本でも地域に応じたサービスが生まれることを期待したいです。
こういう折りたたみ式の宅配ボックスなら、お値段も4000円弱だし個人でも気軽に導入できますね。ありがたい。