中国の大気汚染を肌で感じてきました。
2017年9月から中国山東省での生活を始めました。中国といえば気になるのが大気汚染ではないでしょうか。2016年に「大気汚染防止法」が施行され、大気汚染対策がなされているようですが、現状はどうなんでしょうか?
今回は私が実際に中国に住んでみた感想を紹介したいと思います。
数年前から、日本でも中国から飛んでくるPM2.5がやたらニュースで話題になっていますよね。
むかーし勤めていた会社のお局さんが、
「今日めっちゃ中国からPM2.5飛んできてへん?うちPM2.5アレルギーで敏感やからほんまに大変やねん!」
などとおっしゃられていた時には、
「今までPM2.5なんて物質名さえしらなかったくせに、メディアに踊らされて、よくもまぁ一瞬でアレルギーまで発症なさるなんて」
と心の中でぼやいていたものです。
私自身、日本に住んでいる時はPM2.5なんて気にしたことも無かったし、これまでに何度か中国に旅行したこともありましたが、大気汚染はそこまで気にならなかったので甘くみていました。
しかし、
住んでみて分かりました!
汚染、すごかった!
まずは、中国の大気汚染の現状を写真でご覧ください。
この写真は私が住んでいる部屋からの眺めを、昼間のほぼ同じ時間帯に撮影したものです。
並べて比較してみると空気感の違いが一目瞭然でございます。
大気汚染のレベルはこのようなアプリで毎日チェックします。
重度汚染の日には、外で息を吸うのもためらってしまうくらい空気が真っ白で。喉もイガイガします。
ちょっと意外だったのは、
いつも空気が汚いわけではない!
ということ。
大気汚染がない日(写真:左)には、青い空と海が広がる綺麗な街なのですよ。
それがこんなに真っ白の世界になっちゃうのは何故なの?
大気汚染の原因は中国独自の暖房システム「暖气」だった。
中国北部には「暖气(nuǎn qì)」という暖房設備があります。
(写真は暖气 - 维基百科,自由的百科全书よりお借りしました。)
中国の北部の家にはこのような設備が1部屋に1台、お風呂にも台所にも設置されています。触るとほんのり温かくて、そんなに熱いわけではないのですが、家中ポカポカの天国状態になります。
パイプの中を温水が流れているみたいなのですが、その温水は石炭を燃やしたエネルギーで作られます。冬になると石炭工場から出る煙が街中にモクモク充満するので、空気が真っ白になっちゃうわけですね。
もちろん、その他にも要因は様々あるんだろうとは思いますが、住んでみた実感としては石炭工場の煙の影響が大きいと感じました。
ですので、私の住む街は、
石炭工場が稼働していない夏にはこんな青空が広がり、大気汚染はほとんど感じられませんでしたが、
冬になると、石炭工場から出る煙で、基本的に毎日こんなに真っ白でした。