二十四節気の意味、知ってますか?
海外旅行をするとよく思うこと。
私、日本のことを知らなすぎるよ。
今まで外国人に質問されて「?」ってなったことは多々。
- なんでお地蔵さんは赤いよだれかけをしてるの?
- 「千尋(ちひろ)」から「尋(ひろ)」をとったらなんで読み方が「ち」じゃなくて「せん」になるの?(千と千尋の神隠しより。)
- なんでお風呂に柚子入れるの?
厚切りジェイソンさんよろしく、海外の方は疑問を持つ視点が独特です。
なんでって聞かれても、うーん、えーっと、ほら、それはさ。
「知りません」
「I don't know」
「不知道」
「No lo se」
こんなんじゃ胸張って日本人ですって言えないわ。
「なんでお風呂に柚子入れるの?」
「冬至だから。」
「冬至ってなに?」
「……」
冬至の説明ができない自分が情けないよ。みなさんは冬至の説明できますか?
冬至をネット検索するとどうやら「二十四節気」という古代文明的な何かが関係しているようである。
ひとまずその二十四節気とやらについて勉強することにしてみました。
お風呂に柚子を入れる理由を説明できる日本人になれるといいんだけど。
二十四節気ってなに?
みなさんはどのように時間や季節を感じていますか?
昔の人は月と太陽の動きを基にした太陰太陽歴を使って時間や季節を感じていたようです。
- 月の満ち欠けで→日付を
- 太陽の動きで→季節を
太陽の通り道(黄道)を24に区切り、それぞれに漢字2文字の名前をつけて四季の移り変わりを表したもの。
それが二十四節気です。
メジャーどころでいうと、春分、秋分、夏至、冬至あたりは知名度高いと思います。
二十四節気は、昔の人が四季を感じるために作られたものだったんですね。
そしてさらにこの二十四節気を3つに分けた七十二候なるものもあるらしい。
二十四節気の1節気は15日。
七十二候では1節気を3つに分けるので、1候は5日です。
七十二候では5日ごとに移り変わる季節を表現しているのです。なんて繊細な感性。
そして表現の仕方も漢詩のような言葉でおもしろい。
- 二十四節気→漢字二文字で表す
例:立春【りっしゅん】
- 七十二候→漢詩で表す
例:東風解凍【はるかぜこおりをとく】
ちなみに気候という言葉は、二十四節気の「気」と七十二候の「候」を合わせて作られたそうですよ。
それでは早速、二十四節気と七十二候のひとつひとつの意味と、現在だといつ頃に当たるのかを見ていきます。
春
立春【りっしゅん】
2月4日
「春が立つ」という文字通り寒さの峠を越えて春に向かう節気名で節分の翌日にあたる。立春を過ぎて初めて吹く南風は「春一番」と呼ばれる。
- 東風解凍【はるかぜこおりをとく】
春を呼ぶ風が氷をとかす時期
2月4日〜2月8日 - 黄鶯睍睆【うぐいすなく】
鶯 が鳴き始める時期
2月9日〜2月13日 - 魚上氷【うおこおりをいずる】
氷の間から魚が飛び跳ねる時期
2月14日〜2月18日
雨水【うすい】
2月19日
冬の間に降っていた雪が雨に変わり、積もっていた雪が溶けて水になることから由来している節気名。
- 土脉潤起【つちのしょううるおいおこる】
土が湿り気を含み出す時期
2月19日〜2月23日 - 霞始靆【かすみはじめてたなびく】
霞がたなびき始める時期
2月24日〜2月28日 - 草木萌動【そうもくめばえいずる】
草木が目を出し始める時期
2月29日〜3月5日
啓蟄【けいちつ】
3月6日
「啓」は開く、「蟄」は地中で冬眠している虫という意味。昔は「虫」というのは昆虫だけでなく、蛇や蛙、トカゲなど土にひそんで冬を過ごすさまざな生き物のことだったそう。
-
蟄虫啓戸【すごもりむしとをひらく】
地中の虫が外に這い出す時期
3月6日〜3月10日 - 桃始笑【ももはじめてさく】
桃の花が開き始める時期
3月11日〜3月15日 - 菜虫化蝶【なむしちょうとなる】
青虫が羽化して蝶になる時期
3月16日〜3月20日
春分【しゅんぶん】
3月21日
太陽が真東からのぼって真西に沈み、昼と夜の長さが等しくなる日。これは秋分も同じ。春分と秋分は、極楽浄土に最も近づける日と考えられていて、「彼岸」と呼ばれている。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉通り、気温が安定してくる時期。
- 雀始巣【すずめはじめてすくう】
雀が巣を作り始める時期
3月21日〜3月25日 - 桜始開【さくらはじめてひらく】
桜が咲き始める時期
3月26日〜3月30日 - 雷乃発声【かみなりすなわちこえをはっす】
雷が鳴り始める時期
3月31日〜4月4日
清明【せいめい】
4月5日
芽生えた草木が生き生きと輝き出し、すべてのものが清らかで明るくなる。中国では昔からこの時期に墓参りをする。これを「踏青」という。新緑があまりにも綺麗なので墓参りを口実に外に出かけたことが始まりと言われている。
- 玄鳥至【つばめきたる】
燕が渡ってくる時期
4月5日〜4月9日 -
鴻雁北【こうがんかえる】
雁が北へ帰っていく時期
4月10日〜4月14日 - 虹始見【にじはじめてあらわる】
虹が出始める時期
4月15日〜4月19日
穀雨【こくう】
4月20日
穀物を潤す雨が降り注ぐ頃。この時期の雨は1年の中でも特に重要な雨で、「瑞雨」「催花雨」「万物雨」など様々な名前が付けられている。
- 葭始生【あしはじめてしょうず】
葦が芽ぶき始める時期
4月20日〜4月24日 - 霜止出苗【しもやみてなえいずる】
苗代で稲がいきいきと育つ時期
4月25日〜4月29日 - 牡丹華【ぼたんはなさく】
牡丹の開花が見られる時期
4月30日〜5月4日
夏
立夏【りっか】
5月5日
夏の始まり。「五月晴れ」とも言われるくらい晴れる日が多く、さわやかな陽気で、すがすがしい時期。
-
鼃始鳴【かわずはじめてなく】
蛙が鳴き始める時期
5月5日〜5月9日 - 蚯蚓出【みみずいずる】
みみずが地上に這い出す時期
5月10日〜5月14日 - 竹笋生【たけのこしょうず】
筍が生えてくる時期
5月15日〜5月20日
小満【しょうまん】
5月21日
麦の穂が実って、少し満ちてくる頃が由来。稲の穂が実って、ほっと一安心。植物も人の心も満ちる時期だったんでしょうね。
- 蚕起食桑【かいこおきてくわをはむ】
孵化した蚕が桑を食べる時期
5月21日〜5月25日 - 紅花栄【べにばなさかう】
紅花が盛んに咲く時期
5月26日〜5月30日 - 麦秋至【むぎのときいたる】
麦が実る時期
5月31日〜6月5日
芒種【ぼうしゅ】
6月6日
「
- 蟷螂生【かまきりしょうず】
かまきりが生まれる時期
6月6日〜6月10日 - 腐草為螢【くされたるくさほたるとなる】
蛍が光り出す時期
6月11日〜6月15日 - 梅子黄【うめのみきばむ】
梅の実が黄ばんで熟す時期
6月16日〜6月21日
夏至【げし】
6月22日
1年で一番昼の時間が長く、夜の時間が短い日。夏至と冬至では夜の長さが5時間も違う。暦の上では夏の真ん中だが、実際のこの時期は梅雨の真っ最中。
- 乃草枯【なつかれくさかるる】
靭草が枯れる時期
6月22日〜6月26日 - 菖蒲華【あやめはなさく】
菖蒲の花が咲く時期
6月27日〜7月1日 - 半夏生【はんげしょうず】
半夏(烏柄杓)が生える時期
7月2日〜7月6日
小暑【しょうしょ】
7月7日
梅雨明けが近づき、本格的な夏に向かう頃。小暑と大暑の間(7月7日〜7月22日)を暑気と呼び、暑中見舞いを出すのはこの期間。これ以降に出す挨拶状は残暑見舞いとなる。
- 温風至【あつかぜいたる】
あたたかい南風が吹く時期
7月7日〜7月11日 - 蓮始開【はすはじめてひらく】
蓮の花が開き始める時期
7月12日〜7月16日 - 鷹乃学習【たかすなわちわざをならう】
鷹の子が飛び方を学ぶ時期
7月17日〜7月22日
大暑【たいしょ】
7月23日
1年でいちばん暑さが厳しく感じられる頃。梅雨が明け、猛烈な日差しが注ぐ。鰻で知られる「土用の丑の日」もこの期間中にある。
- 桐始結花【きりはじめてはなをむすぶ】
桐の花が実を結ぶ時期
7月23日〜7月28日 - 土潤溽暑【うちうるおうてむしあつし】
土が湿り蒸し暑くなる時期
7月29日〜8月2日 - 大雨時行【たいうときどきにふる】
大雨が時々降る時期
8月3日〜8月7日
秋
立秋【りっしゅう】
8月8日
暑さから想像できないが、暦の上では、秋の始まり。秋の語源は、空の色が明らかだから、収穫が飽きるほどあるから、草木が紅くなるから、などさまざまな説がある。
- 涼風至【すずかぜいたる】
涼しい風が吹き始める時期
8月8日〜8月12日 - 寒蝉鳴【ひぐらしなく】
蜩 が鳴く時期
8月13日〜8月17日 - 蒙霧升降【ふかききりまとう】
深い霧が立つ時期
8月18日〜8月22日
処暑【しょしょ】
8月23日
「処」は落ち着くという意味で、処暑とは暑さが落ち着くという意味の言葉。暑さのピークは過ぎるが、台風が多い季節。
-
綿柎開【わたのはなしべひらく】
綿の実が弾け綿花がのぞく時期
8月23日〜8月27日 - 天地始粛【てんちはじめてさむし】
暑さの勢いが落ち着く時期
8月28日〜9月1日 -
禾乃登【こくものすなわちみのる】
稲が実る時期
9月2日〜9月7日
白露【はくろ】
9月8日
空気中の水蒸気が冷えて露となり、光って白く見えることが由来。夜間の気温の低下によって、空気中の水蒸気が冷やされると、水滴となって草や枝についたのが露。
- 草露白【くさのつゆしろし】
露が白く光って見える時期
9月8日〜9月12日 - 鶺鴒鳴【せきれいなく】
鶺鴒 が鳴く時期
9月13日〜9月17日 - 玄鳥去【つばめさる】
燕が南の国へ渡っていく時期
9月18日〜9月22日
秋分【しゅうぶん】
9月23日
太陽が真東から出て真西に沈み、春分と同じように、昼と夜の長さが等しくなる。秋分の日とその前後3日間を合わせた7日間が、秋のお彼岸。
- 雷乃収声【かみなりすなわちこえをおさむ】
雷が鳴らなくなる時期
9月23日〜9月27日 -
蟄虫坏戸【むしかくれてとをふさぐ】
虫が冬支度を始める時期
9月28日〜10月2日 - 水始涸【みずはじめてかるる】
水田を干し稲刈りに備える時期
10月3日〜10月7日
寒露【かんろ】
10月8日
露が冷たく感じられる頃。朝晩の冷え込みがはっきりと感じられるようになる。寒露の頃は空気が澄み、夜空の星々が最も鮮やかに見える季節。
- 鴻雁来【こうがんきたる】
雁が北の国から渡ってくる時期
10月8日〜10月12日 - 菊花開【きくのはなひらく】
菊の花が咲き始める時期
10月13日〜10月17日 - 蟋蟀在戸【きりぎりすとにあり】
秋の虫が戸口で鳴く時期
10月18日〜10月22日
霜降【そうこう】
10月23日
霜が降りる時期。朝夕の冷え込みが厳しくなり、秋の終わりが感じられる頃。放射冷却によって冷やされた大気中の水蒸気が地面や草木の表面についてできるのが霜。
- 霜始降【しもはじめてふる】
霜が降り始める時期
10月23日〜10月27日 -
霎時施【こさめときどきふる】
小雨が時々降る時期
10月28日〜11月1日 - 楓蔦黄【もみじつたきばむ】
紅葉が深まる時期
11月2日〜11月6日
冬
立冬【りっとう】
11月7日
暦の上では、この日から冬となる。「立」には新しい季節になるという意味があり、立春、立夏、立秋、立冬を合わせて「四立」という。強くて冷たい北寄りの風「木枯らし」が初めて観測されるのもこの時期。
- 山茶始開【つばきはじめてひらく】
山茶花 が咲き始める時期
11月7日〜11月11日 - 地始凍【ちはじめてこおる】
大地が凍り始める時期
11月12日〜11月16日 - 金盞香【きんせんかさく】
水仙が咲く時期
11月17日〜11月21日
小雪【しょうせつ】
11月22日
寒さが進み、北風の冷たさがはっきりと感じられるようになる。東北や北陸の山間部では初雪を観測する。
- 虹蔵不見【にじかくれてみえず】
虹を見かけなくなる時期
11月22日〜11月26日 - 朔風払葉【きたかぜこのはをはらう】
北風が木の葉を散らす時期
11月27日〜12月1日 - 橘始黄【たちばなはじめてきむ】
橘の実が黄色く色づく時期
12月2日〜12月6日
大雪【たいせつ】
12月7日
日に日に寒さが増し、本格的に雪が降り始める頃。
- 閉塞成冬【そらさむくふゆとなる】
重い冬雲が空を覆う時期
12月7日〜12月11日 - 熊蟄穴【くまあなにこもる】
熊が冬眠に入る時期
12月12日〜12月16日 - 鱖魚群【さけのうおむらがる】
鮭が群れをなして川を上る時期
12月17日〜12月21日
冬至【とうじ】
12月22日
太陽の高さが最も低くなり、昼の時間が1年でいちばん短くなる日。これを境に少しずつ日脚が伸びていく。柚子湯に入るのもこの日。
- 乃東生【なつかれくさしょうず】
靭草が芽を出す時期
12月22日〜12月26日 - 麋角解【さわしかのつのおつる】
大鹿の角が落ちる時期
12月27日〜12月31日 - 雪下出麦【ゆきわたりてむぎのびる】
雪の下で麦が伸びる時期
1月1日〜1月4日
小寒【しょうかん】
1月5日
「寒の入り」とも言われ、寒さが本格化する頃。1月7日には七草粥を食べる。春の七草は、ごぎょう、すずしろ、せり、なずな、すずな、はこべら、ほとけのざ。
- 芹乃栄【せりすなわちさかう】
芹が盛んに生える時期
1月5日〜1月9日 - 水泉動【しみずあたたかをふくむ】
凍った泉で水が動き始める時期
1月10日〜1月14日 -
雉始雊【きじはじめてなく】
雉が初めて鳴く時期
1月15日〜1月19日
大寒【だいかん】
1月20日
1年で最も寒さが厳しい時期。この時期にあえて武道や水泳などの稽古を行うことを寒稽古という。寒さに耐える体力と精神力が養えるとされている。
-
欵冬華【ふきのはなさく】
ふきのとうが顔を出す時期
1月20日〜1月24日 - 水沢腹堅【さわみずこおりつめる】
沢に氷が張りつめる時期
1月25日〜1月29日 - 雞始乳【にわとりはじめてとやにつく】
鶏が卵を産み始める時期
1月30日〜2月3日
お風呂に柚子を入れる理由が分かった。
なぜ冬至には柚子湯に入るのか?
- 江戸時代から始まる風習
- この日柚子湯に入れば1年間風邪を引かないと言われている
- 来たるべき本格的な寒さに備えるため
- 柚子湯には血行促進や冷え性改善、ひびやあかぎれを治す効果があるとされる
- 「柚子が黄色くなると医者が青くなる」と言われている
- 冬至と湯治をかけている
- 柚子は酸味が強く果実をそのまま食べられないため入浴剤として使われるようになった
こういうことらしい。なるほどな。
なぜ冬至限定のイベントなのか。
なぜ柚子なのか。
そこには意味があったんですね。
ちなみにお地蔵さんが赤いよだれかけをつけている理由は、
- お地蔵さんは子どもを守る神様
- 自分の子どもが元気に育つようにとよだれかけを奉納
- 赤は魔除けの色
こんな理由のようです。
まとめ
この世にはまだまだ知らない世界があるんだと改めて実感。
「古きを知り新しきを知る」
久しぶりに勉強して楽しかったなー、まとめるのには一苦労したけど。
日本人力は確実にアップした気がするのでした。